Deftones - Knife Party和訳
ヴィジュアル系で育ったので必然、長じて聴くようになった洋楽は主にUK・ドイツ産が多くなったわけだが、その中でも例外的に好きな米国産バンド、Deftones。
ラルクYukihiroのソロプロジェクト、Acid Androidのライブレポを雑誌で読んでいたら、楽屋でDeftonesの「Be quiet and drive」が流れていた、と書いてあったので手を出した。
「乾いた耽美」とでも形容しようか、遠く差し込む一条の光に向かって暗がりから手を伸ばすような激情と諦念にも似た抑制を、妙にメロウに浮遊するヴォーカルとノイズをまとってうねるギター、歪みのたうつベースとフックの効いたドラムにカットインする電子音が描き出す。枯れ井戸の底から天を仰ぐような世界が気に入った。って、勝手に思ってるだけですが。
同じ「暗い」でもUKロックのような湿っぽさは感じさせない。完全に乾いている。サウンドは重いけれど、正統派メタルのようなカッチリ感はなく、うねり、のたうち、加速と停止を繰り返す。
間違いなく名曲の「Be quiet and drive」も「Minerva」も「Digital Bath」もいいのだけれど、ここ数年自分の中で一番気に入っている「Knife Party」を訳してみた。
クスリでも決めてるのかしら、どうかしら。一説によるとこのトラックを収録しているアルバムのタイトルWhite Ponyとはコカインを指す隠語だそうで、なるほどね、という感じです。
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俺の「ナイフ」は鋭いクローム製、
こっちに来て俺の骨の中を見てみろよ。
仲間たちはみんなここに集まってる。
次の「王」は俺だから、
今度は「女王」を手に入れなきゃならない。
ほら、俺たちはもうすっかり出来上がってしまった。
ここじゃみんながぼんやりとただ優しくなれるんだ、だから。
お前もナイフを手に入れろ、
ナイフを持ってこっちへ来いよ。
お前のナイフを持って、
そう、横たわって。
お前のナイフを持って、
そして俺にくちづけてくれないか。
ああ、このままずっとここで浮かんでいられる。
この部屋の中じゃ、
俺たちはどうしたって床に触れられない。
そう、ここじゃ、
俺たちはすっかり出来上がってしまって、
ここじゃ、誰もがぼんやりと優しいだけ、
だから。
お前もナイフを持って来いよ、
俺たちの仲間に入れよ。
お前もナイフを持って来いよ、
ゆっくりして行くといい。
お前もナイフを手に入れて、
さあ、俺にくちづけてくれ。
このままずっとここで浮かんでいられるみたいだ。
お前は最高に素敵だよ、
ああ、このままずっと飛んでいられる、
ああ、ぼんやりして最高に甘く優しい、
さあ、お前のナイフを取って来いよ、
こっちに来な。
お前のナイフを持って来いよ、
全てを委ねて。
ナイフを取って来いよ、
ああ、もう何も分からねえ、
ナイフを、ナイフを持って来いよ、
そして俺にくちづけを。
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最後の「kiss me」が甘いったらない。