世界の果てに似たものを見る(ノールカップへの行き方)

世界が巨大な亀の甲羅の上で数匹の象に支えられたお盆のようなものだったらよかったのにと思うことがある。 限られた地上面積をはいずり回るだけの卑小ないきものにとって、地球がお盆だろうが球体だろうが洋ナシ型だろうが日々の生活認識は変わらないわけだ…

大量の本を買ってしまった話

前回の更新からずいぶん日が開いてしまった。ブログというやつは長距離走や筋トレと同じで、一定のペースで続けられるうちはいいのだが、一度停止してしまうと再び始めるのがどんどん億劫になる。 何をしていたのかというと、おおむね仕事で疲弊していたとい…

ルートヴィヒ2世最期の地・シュタルンベルク湖に行く

今年のイースターはミュンヘンに行ってきた。同僚たちに「お前はどうあっても西ヨーロッパには行かないつもりか」となじられながら、プライベートな旅行だけ数えても三度目のドイツだ。彼らの言う西ヨーロッパはつまりイタリアとフランスとスペインのことな…

指揮者がすげえと思った話

音楽はよく聴くほうだ。この「よく」というのは頻繁に、という意味であって、決して深い洞察を巡らせたり解釈を掘り下げたりするタイプではない。たぶん一番好きなのは無音で、気にくわない音を遮断するために耳に好もしい音を流しているだけなのかもしれな…

祈りは依然として遠く(十字架の丘編)

さて、2日間の会議を終え(合間に同僚のポーランド人に巻き込まれて75度のウォッカをショットで食らったりしつつ)明けて土曜日。市内観光はさておいて、リトアニアの北、シャウレイを目指して移動した。目的地は「十字架の丘」だ。 画像はインターネットで…

リトアニア旅行抄(概要編)

リトアニアに行って来た。業務出張だったのだが、日程が木曜と金曜だったのをいいことに、滞在を延長して週末はプライベートだ。 今回の滞在で一気にリトアニアを好きになってしまった。何がいいっていろいろあるが、とにかく雰囲気を気に入ってしまったのだ…

ヨーロッパで日本の本を手に入れる

スイスに赴任して1年が過ぎたところだ。 何しろ、生まれて初めてのパスポートを入手したのが赴任の前年というくらい海外に縁がない人生を送ってきたので、仕事も当然ながら生活の不安も大きかった。その内の最たるものが「どうやって日本語の本を手に入れる…

蔵書を数える会

大した量の蔵書ではないが、よくある本棚ひと竿では収めるのが難しいくらいの数ではある。 先日、ふと蔵書を出版社別に分けたらどんな割合になるのか気になった。贔屓の出版社はいくつかあるが、実情はどんなものなのだろうか。 で、数えてはみたが、そこま…

Deftones - Knife Party和訳

www.youtube.com ヴィジュアル系で育ったので必然、長じて聴くようになった洋楽は主にUK・ドイツ産が多くなったわけだが、その中でも例外的に好きな米国産バンド、Deftones。 ラルクYukihiroのソロプロジェクト、Acid Androidのライブレポを雑誌で読んでいた…

It could be sweet(Portishead)和訳もどき

www.youtube.com 10本の指に入るくらい好きなアーティストPortisheadの中でも一番好きな歌がIt could be sweetで、この抑制の効いたトラックに挿入される緊迫感を醸し出すオケヒット、何よりベス・ギボンズの陰鬱なウィスパーがたまんないわけです。 「it co…

Ex Machinaロケ地へ(Ex Machinaあらすじとレビュー)

ベルリンには予定通り行ってきたし、予定通り『ナチの子どもたち』を読み切ったし、予定通り2泊3日では足りなかった。 「Topography of Terror」で見た一葉の恐ろしい写真を見ながら、この薄ら寒さをどう書けばいいかと逡巡しているのだが、どうにも消化不良…

旅行の支度

旅行に出かけることが増えて、遠出する時の荷造りがだいぶ簡素に、素早くなった。 ポイントは「カネとパスポートとコンタクトレンズといつものスキンケアがあれば死なない」「最悪、カネで何とかなる」である。同じ下着や服を複数日に亘って身につけていても…

エモとバイブスと

エモい、という単語を初めて聞いたのは確か大学生になってからだったと思う。 エモい。emotionalのエモだ。そもそもは「エモという音楽のカテゴリがある(エモーショナル・ハードコア)」というところから話が始まっていたはずで、転じて「エモい」という形…

旅行の記録

ヨーロッパの真ん中に位置する小国に赴任して1年。日本どころかその時点の居住地に引きこもりっぱなしだった30年を取り戻すように旅行に出かけている。 そのうち記事にするとして、一旦リストを整理しておきたい。 ・ロンドン ここは複数回訪れている。日本…

祈りから遠く離れて

年始に一家で初詣をした。我が家は割とそういうところが保守的で、毎年欠かさない。賽銭用の五円玉をかき集めて行く。 二礼二拍手一礼、と作法をなぞりながら、毎年のことながら、この手を合わせている時に何を考えたらいいんだ、ということばかり考えていた…

過去の人生から学べることは?(Remix)

近所のスーパーに、プラカップに入ったスープが何種類か売っていましてね。味もそう悪くないのと何より手軽なのでたまに買い求めて夕飯代わりにするんですよ。さああなた、こちらのカップを手に取って見てごらんなさい。こちらはハンガリー風グヤーシュのカ…

ポートエレンを飲んだことはありますか?(remix)

ポートエレン、ええ存じ上げておりますとも。ご質問に先にお答えしておくと、いまだかつて口にしたことはございませんし、きっとこれからも頂くことはないでしょう。 何も粋人を気取って、珍しいばかりで値の張る酒など呑むつもりはない、などとおためごかし…

他の人にはまねできないようなことがありますか? (remix)

「まねできない」とは卑怯な質問をしますね。 模倣可能性、もしくは複製可能性と言い換えても良いでしょうが、第三者にトレースされない能力や肉体の動き、思索の向かう方向、織りなす言葉の選び方、はた鳴き声や爪の研ぎ具合や尻尾の振り方、そんなものをお…

さびしい炎(Remix)

音にして「さびしい」となる言葉を文字に起こすのに、どれが一番「さびしい」という感情に合うだろうかと考えてみたことがある。 「寂しい」「淋しい」「さびしい」どれも同じ音で似たような感情を表すようだけれど、違う。 「寂しい」は喪失感と後悔と諦念…

空っぽの袋(Remix)

どうということもない、ただ何ということもない自分に嫌気がさしただけだ。 140字の世界は悪くないけれど、虚空に向かって言葉を吐き捨てるばかりの自慰行為だけでは何も書けなくなってしまう気がする。 何かを書くことができる私がかつていたのかどうか、そ…